MRの転職先は大手外資系かベンチャー企業のどちらが良いのか、考えたことありますか?
「外資系に転職を考えています。その中で、転職先は大手かベンチャー企業どちらが良いですか?」
外資系に勤めている関係なのか、質問を頂くことがあります。
内資系企業はオワコンなのは周知の事実なので、早く外資系に転職することをおススメいたします。
その中でも大手かベンチャーと聞かれれば、僕は迷わず「大手外資系製薬会社」と答えます。
できれば、世界TOP10以内の製薬企業に限ります。
目次
転職するなら大手外資系製薬会社を推薦する理由
僕は、「大手外資系>外資系ベンチャー>>>内資系」の順で魅力的だと感じています。
なぜなら、リスクが低く、魅力的な製品が多いからです。
いつも行動を起こそうと思ったターニングポイントで考える事は「人生を逆算する事」です。
入社から定年退職までざっくり考えてみましょう!
22歳で入社して、結婚、出産、子育て、色々な場所に家族で旅行したり、思いっきり楽しんで定年退職。老後は好きな事をしながら家族みんなで笑って楽しんで過ごす。
一般的な人が考える理想的な人生ですよね。
既に終身雇用は終了した。。。と言われていますが、急に独立やキャリアチェンジをできる人は少ないです。
そのためギリギリ僕たちの世代は、親世代をモデルケースとして働く人が多いと感じています。
このキャリアは、外資系ベンチャー企業では実現が不可能な可能性があることを考えた事はありますか?
外資系ベンチャー企業は博打に過ぎない
ランチェスター戦略を極めた外資系ベンチャーは凄く眩しく、男のロマンと映るときもあるでしょう。
僕の友人もギリアドに入社して、C型肝炎のブームに乗りました!
年収もめちゃくちゃ高くて、補助制度ができていない時に前社の給料をベースに転職したので、日当や家賃補助も2重取り状態です。
大手外資系製薬会社に勤めていても1万円/月程度しか昇給しないので、200万/年以上の年収アップする外資系ベンチャーはめちゃくちゃ羨ましかったです。
実際、現場で外資系ベンチャーの雇用の不安が起こっているのはご存知?
ギリアドが今、どんな立場にいるかご存知でしょうか?
ギリアド、ソバルディ、ハーボニーの名前を知っている人は多いと思いますが、
「マヴィレット配合錠」
の名前をご存知の人はどれほどいるでしょうか?
C型肝炎の世界では効果、適応症の側面からもハーボニーを上回る製品として、病院内でどんどん入れ替わっています。
2018年の1~3月の製品別売上では全医薬品の中で1番の売上を残しています。
この事実を2015年のソバルディ発売時に予想できた人がどれだけいたでしょうか?
そもそも予想できていれば、アッヴィに入社していますよね!
今のギリアドは必死。日本撤退も視野にあるらしいです。
1つの製品に特化して、一躍医薬品市場の話題となった会社だから、競合品の登場により、経営が厳しくなってきています。
市場は冷静に見ており、C型肝炎ブームになった時期の株価を最高潮にどんどん株価が下落しています。
B型肝炎薬も苦戦しており、今後、CAR-T療法の販売権を買いましたが、ノバルティスが先行している中、非常に厳しい状況にあります。
社員は日本撤退を聞いたことがあると幹部の中で噂しています。
最近、日本人社長から外人社長に変わったので、変革には時間がかからないかもしれません。
日本撤退した時の事を考えたことがありますか?
ギリアドの話はあくまでも噂ですが、日本撤退後した場合、考えた事はありますか?
もちろん会社は助けてくれません。
個人の力で転職する必要があります。
今までの時代は雇用の需要はありましたが、現在MR数が激減している中で、自分の納得できる会社に入社することは困難を極めます。
しかも数か月間、無職って可能性も考えた方が良いかもしれません。
富士フィルムファーマの解散が象徴的
2018年7月27日「子会社解散に関するお知らせ」が富士フィルムファーマのHPに掲載されました。
「解散=退職」
社員の方に聞けば、突如の発表でまったく転職の期間がなく、会社からは一方的に連絡を受けただけです。
富士フィルムファーマの解散は2018年診療報酬改定により、収益が悪化した事が原因です。
これをベンチャー企業に当てはめると、薬剤は1剤、2剤しか基本的に取り扱っていません。
競合が出てきて、それが大手でマンパワーをかけられると、、、その薬剤の売上が激減するかもしれません。
結果、日本撤退=解雇という最悪の結果になってしまいます。
逆に大手だと数種類薬剤があるので、同じことが行っても売上をカバーできる余力があります。
ボーナスは少し削られるかもしれませんが、、、解雇はないでしょう。
自分だけの人生であれば良いですが、、、、父親としての側面もあるのでいきなりベンチャーは怖すぎます。。。
次に外資系ベンチャー企業は吸収合併される不安も考えよう
シャイアーは武田に吸収されました。
武田薬品が上です。
幹部や社員、上司、同僚などなど武田社員が中心です。
以前、日本の製薬業界でも第一三共やアステラス製薬ができた時、どちらの会社の出身かで待遇が違った。。。と日本社会独特の話を先輩方に聞いたことはありませんか?
今回のシャイアーと武田はまさしく、武田優位の合併ですので、武田が主導権を得ます。
今まで自由に楽しく働いていたのに、、、ある日突然、窮屈になる可能性が外資系ベンチャー企業には含まれています。
さらに、シャイアーも武田と合併して厳しい状況になるかもしれない。
シャイアーと合併する武田薬品も大きな不安が取り上げられています。
現在、血友病領域の約50%を占めているシャイアーのアドベイト。
シャイアーの屋台骨となる製品です。
この製品に先日、中外製薬からヘムライブラという競合品が発売されました。
効果、利便性から間違いなくアドベイトから切り替わる製品になります。
もし予想を上回る勢いで切り替われば、、、、武田の経営は悪化します。
幸い武田は他の製品の売上もあるので、急な大規模なリストラにはつながらないかもしれませんが、これがシャイアー単体であれば、間違いなくリストラです。
ノバルティスが示してくれた大手外資系が魅力的な理由
ディオバン事件は記憶に新しくご存知の方も多いと思います。
年間1000億円以上売れていた薬剤が、数年で現在128億円(引用:ノバルティスHP)です。
その後、グリベックの特許も切れていますが、2015年に100名のリストラを実施しただけです。
特許が切れれば、リストラが募集され、新薬が上市されれば、雇用が募集される。
この事実は数十年、医薬品業界では変わらない事実であります。
しかしながら、年間1000億円売れていた薬剤が数年で1/10になっても雇用はある程度安定います。
なぜなら、特許が切れても、競合が出てきても、カバーできる製品群がある!
これは大手外資系製薬会社だからできるワザなんです。
立ち戻って人生を逆計算してみよう
22歳で入社して、結婚、出産、子育て、色々な場所に家族で旅行したり、思いっきり楽しんで定年退職。老後は好きな事をしながら家族みんなで笑って楽しんで過ごす。
僕はどんなリスクを負っても、家族は巻き込みたくありません。
これが本音です。
家族を路頭に迷わしたくありません。
だから僕はリスク管理ができている大手外資系製薬会社の方が外資系ベンチャー企業よりも転職先には良いと感じています。
それでも外資系ベンチャーにチャレンジしたい人は下調べが重要
ギリアドを例に説明しましたが、優秀な競合品が出てきたら終了です。
特に希少疾病の領域では製品力がものを言います。
製品力を作るのは企業努力です。臨床試験を行い、結果を出すには莫大な資金が必要です。
今、バイオジェンのSMAやアミカスのファブリー病など脚光が当たって眩しすぎる魅力的なクスリが外資系ベンチャーが取り扱っていますが、今後この領域がどのように変化していくかご存知ですか?
ここではあえて申し上げませんが、全て大手外資系製薬企業からのパイプラインが準備されています。
その事を把握したうえで、リスクをしっかり考えて転職するのはよいと思います。
きっと大手では経験できない事が、経験できると思いますし、楽しいと思います。
しっかり家族と話し合って、リスクを考えて動いてほしいです。
最低限、下調べはキャリコネなどで社員の意見などを見てみてくださいね!
一時的な感情で転職は考えないで欲しいです。
しっかり人生を逆算して、納得したうえでご判断下さい!