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毎年薬価改定が製薬業界の今後に与える影響。衝撃の新事実を踏まえ未来予想図を現役MRが考えた。

「この間毎年薬価改定の記事をみました。

MRは価格交渉はしないので、あまり影響を受けないと思いますが、実際どうですか?」


2040年に190兆円の社会保障費が必要って記事見ました。。

「もちろんこのままいくと」の大前提なのですが、衝撃的過ぎて気が狂いそうです。

その末尾に、、、「毎年の薬価改定で最大2900億円」の削減になると、、、

 

いやいや、190兆円の中の2900億円って、、、もっと突っ込みどころ満載でしょ!!と言いたくなる記事でした!

 

ただ雀の涙ほどのインパクトですが、毎年改定で薬価が引き下がることは、既定路線のような気がします。

今後、製薬業界はさらに厳しくなることが予想されます。

 

僕の予想は今までの売上をドンドン伸ばすビジネスから本来の利益率を追求するビジネススタイルに変化するんじゃないかと思います。

 

売りすぎると危険!オプジーボから反省する製薬ビジネス【第一章】

記憶に新しい2017年2月にオプジーボの薬価が半分になりました(3500万円/年→1750万円/年)

実際利用者からすれば、高額療養費が適応されているので、負担金は変わりません。

理由は適応拡大によって、対象患者が増え、対象となる全ての患者さんに投与されれば、医療制度が崩壊するくらいのインパクトを持っていたためです。

凄く優秀な薬で、既にガンではPD1製剤はベース薬になりつつあります。

 

しかしながら、開発・販売している小野薬品の利益は一気に半減になってしまいます。

自社開発してやっと販売まで漕ぎつけた看板商品は2017年2月1日を境に半額になってしまったんです。

 

ここから製薬会社は日本でのビジネススケールを下記の考えるようになりました。

売りすぎるな!けど競合に負けるな!コンプライアンスは絶対守れ!」

このように、会社のメッセージが変化してきたな~と肌で感じます。

 

こんな感じでセールスの方向性の変化を感じるのは、会社のメッセージの他に卸施策で感じています。

今までグロスに対して報酬を支払う施策が頻発していました。

今、グロス施策を展開している会社は知りません。

 

全て出来高支払に変化してきています。

つまり、グロスは要らないんです。

採用件数だったり、院内採用が会社は欲しくなってきています。

 

これからフォーミュラリーなどが間違いなく全国各地の病院で採用されてくると思います。

既に都会の病院では始まっています。

下手すると医療圏でフォーミュラリーが展開されるかもしれません。

 

そうなるとグロスは、ほぼ意味を成しません。。。

採用件数が響いてきます。

 

製薬会社もこの先の医療業界を予想して、卸施策やMRを誘導して、有益なビジネスに展開できるように仕向けていると考えています。

 

今まではスタチン、ARBのような売上額だけを追い求めるビジネス

オプジーボの例と卸施策から感じる事を書いてきましたが、ひと昔前は

「世界で一番売れています!日本で一番売れています!」

このフレーズを前面に出したパワーゲームが流行っていました。

 

1日何人の先生に会えるのか!

1回の面会で複数製品の話をしよう!

卸にも協力し貰って、売りまくる!(但し、薬価改定の価格調査が入る月は大人しくしておこう)

 

そうやって売上額を追い求め、得意のフレーズを浸透させる戦略でした。

これには自社開発の考えは全くなく、単に自社製品の売上を最大限にしようといったものです。

 

額が大きければ、それだけ後発品の影響力がある。。。会社にとってはリスク

こうして売上額が上がっていった製品は会社の看板商品になり、会社は潤います。

その時、会社はさらに儲けようと人員を投入します。

10年前は1エリアに同じ製品の担当者が2人もいたくらいです。。

 

次に何が起こったのか。。。

その1製品に頼っていた会社は後発品発売とともに一気に経営が傾きます。

以前までは日本は後発品が進まないと言われていたため、日本市場は後発品を気にしなくなっていました。

しかし現在では初月に50%近く後発品に変わります。

 

国が後発品を推し進めているからです。

 

その結果、MRを含む社員の早期退職が募集される

最近ではベーリンガーが330人の早期退職を募集しました。

これは看板商品のミカルディスの特許切れに伴うものです。

同時にコプロメーカーであるアステラスも早期退職を決めています。

 

1つの製品によって人員が大きく左右されてきます。

その人がどれだけその会社に貢献したか、、、などのこれまでの功績は全く関係ありません。

会社に残れる重要なファクターは「若い」という事だけです。

 

第一章まとめ

今までの製薬会社は売上額重視

売りすぎると特例で薬価が下げられる(例:オプジーボ)

1つの製品に頼りすぎるとMR含む社員の早期退職に繋がりやすい

 

今までが通用していたことが環境の変化により、徐々に通用しなくなってきています。

会社も早期退職ばかりしていると印象も悪くなります。良い人材を獲得するために会社としてのイメージも保ちながら、いかにうまく経営するのかがKeyになっています。

違う視点を第二章で書いていきたいと思います。

 

だからこそ、これからは利益率を求めるビジネスに転換【第二章】

利益率は今までも見られていました。

ただ昨今の環境の変化により、会社の経営者にとって、一番重要なファクターとなってきています。

薬の利益率を上げるために必要な事は、売上と固定費の削減です。

 

利益率を追い求めるのに重要なのは、、、自社開発品を売ること

とある外資系の製薬会社のマーケティングの人に聞いたんですが、会社は利益率をみて組織の人員配置を決めています。

売れなさそうな薬でも専門部署が存在するのは、利益率が非常に高い製品で、そこまで売らなくても採算が取れるためです。

だから、そこに人員をかけるのです。

 

一番自社開発能力が高い製薬会社はノバルティス

引用:www.evaluategroup.com/Universal/View.aspx?type=Story&id=787469&isEPVantage=yes

2013~2018年3月までの新薬の数です。

新薬はメルク、ノバルティス、ロシュの順番ですが灰色のorganicの部分に注目して欲しいです。

ノバルティスが圧倒的に多く開発しています。

これは自社開発品です。

これが製品になれば、大きな利益率も期待できます。

 

固定費の削減は今後も行われる

今後もMRを始めとする早期退職は行われます。

僕の会社でも常に噂はありますし、組織変更の噂もあります。

ただ人員は常に適正ではありません。

なぜなら、会社は女性MRを急増させているためです。

女性MRは結婚退職や配属と同時に辞めるみたいな予想できない事が起こります。

僕の会社でも欠員担当は全国で数十か所あり、欠員地域は上司が担当していますしね。

だから、いつも欠員状態が続いているんです。

内勤者を現場に戻したりするようですが、それでも慢性的な人員不足になっています。

 

大型製品が上市する前には、必ず雇用ニーズが生まれる

だからなんです!!

慢性的な人員不足になっている時に大型製品の上市が控えている場合、めちゃくちゃ募集が始まります。

 

噂ですが、外資系では人員の配置に関してはグローバル本社の承認が必要だと聞いたことがあります。

そのため本社のGOサインが出ないと募集がかけられないんです。

数人ならいいじゃん!と思いますが、人数に関してはかなり厳しく管理されているそうです。固定費なので、、、

昨年末のアストラゼネカの大型MR求人なんて代表的な例ですよね。

 

だから必ず大型製品上市前には求人が生まれます。

 

例えば、ノバルティスはCAR-TやLCZ696が魅力的な製品

自社開発力が圧倒的なNo1のノバルティスは今後CAR-TやLCZ696といった製品を戦略品として構えそうです。

すでにCAR-Tは申請済みなので、下手すれば今年中に承認されるのではないでしょうか?

またLCZ696に関しても欧米では既に発売しています。

日本も2~3年以内に発売するでしょうし、その時にノバルティスは大型採用に踏み切るかもしれません!

 

一部のランチェスター戦略を極めた外資系ベンチャーも魅力

一方でベンチャー企業も面白い製品が揃っていますよ。

少数精鋭(=人件費を抑え)で、ニッチな領域で勝ち上がる(=ランチェスター戦略)手法を極めた会社は強いです。

大きすぎますが、アッヴィやバイオジェンなんかがそんな感じでしょうか?

これらの会社も例外なく、製品上市とともに雇用が生まれます。

 

以前、ギリアドに転職をした友人が話していました。

数あるエージェントと情報交換をしていて、その時にギリアドの案件を持ってきてくれたと、、、

他のエージェントは一足遅く持ってきた。

実はギリアドには何段階か採用の時期があったそうです。

一番早くに動いた人が入社しやすく、配属地も選びやすい。

しかも日本に初めて参入するベンチャーならではで、会社の制度が整っていなかったため給料も爆上げしたそうです。

つまり手当系が全て含まれた額面で転職し、のちに会社が手当てをつけてきたので、、、

手当ての2重取りですね。

 

このギリアドの友人から学ぶべきポイントはエージェントによって持ってくるタイミングが違う事です。

 

そのチャンスを逃してはいけない!転職サイトに情報収集目的で登録する必要がある

こんな感じで雇用には波があります。

今は穏やかでも、とあることをキッカケにチャンスが生まれます。

なんでもそうなんですが、そのチャンスをものにできるかどうかはあなた次第です。

 

特に会社の将来に不安を持っている人がいれば、近くノバルティスには雇用拡大の可能性は秘めていますし、

情報収集のために転職サイトに登録する価値は感じます。

しかもギリアドの彼から学んだように複数です!

 

ただ複数登録するのも面倒だと思います。

そんな中で、僕がおススメしているのはビズリーチです。

従来の転職サイトと違い、自分の履歴書を見た複数のエージェントが話を持ってきてくれます。

もちろん自分からエージェントにアプローチもできますので、その点は心配ないですね!

 

厳しきなってきている製薬業界だからこそ、情報を集めるのはめちゃくちゃ重要だと感じます。

 

追伸:ビズリーチに登録していると登録したメールアドレスに自分の設定した履歴書をみて随時アナウンスが流れてきます。

こんな感じです。

今回は大手外資系製薬会社の製品が適応を拡大する予定で、MR〇〇名、所長〇名、MSL〇名の拡大を予定しており、その案件の紹介できます。

プラチナスカウトと書いていますが、僕は無料会員のスタンダードですよ。

だからこのビズリーチを情報収集目的で活用するってものすごく効率的だと考えています。

 

まとめ

これからの製薬会社は利益率を追求する

ノバルティスは魅力的な会社の1つ

今いる環境の将来に対する不安があるのであれば、転職も1つの手

 

僕は自分の周りにも自分の人生だから(しかも1度きりの!)、行動しないと何も変わらないよ!っていうスタンスで話しています。

だからチャレンジするし、チャレンジするから楽しいし、毎日を生きてる!って感じがします。

今の環境に不満があるのであれば、冷静になって考えてみて、それでも不満なら行動を起こすべきだと思いますよ。。。

あっ!いつもの悪い癖が、、お節介ですね。。

 

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ユウト

ユウト

大手外資系製薬会社に10年超→コントラクトMRに転職したユウトです。
妻子ありの地方在住MRです。
僕自身が小児喘息で、それがキッカケで薬の世界に入りました。
趣味はMR、資産形成(お金の殖やす方法)、マイルで家族旅行です。
何か記事で気になることがあれば、お気軽にご連絡頂ければ幸いです。(お答えできる範囲でご返信させて頂きます。)
連絡先:yuto.mr55@gmail.com
Twitter:https://twitter.com/yutomr55

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