MRの活動にデジタルが必須の時代は必ず来る。しっかり波に乗ろう!
業界内で一番有名なデジタルコンテンツを提供しているのはエムスリーですよね。
エムスリーの最大の強みは、医療系のコンテンツを提供するm3.comの会員数です。
エムスリーによると、会員の医師数は2018年7月時点で26万人にもなります。
厚労省の発表では2016年時点で32万人の医師がいますので、簡単に計算しても医師の80%以上が会員となっています。
医療情報を収集する目的で医師が利用するサービスになっています。
そのため、長い間製薬会社ではm3.comの提供するメールマガジンを利用していました。
ただ…ここにきて大きな転換期を迎えています。
それは、2017年あたりから自社で開発したシステム(実際にはシステムを購入)で、医療コンテンツを提供し始めています。
理由は、おそらく本来情報を収集する目的で登録をしていた医師の目的が、マイルを貯める為に、ポイントをゲットするために、、、といった目的が変わった登録者数が多くいるからではないかと考えていました…
ただ目的が変わっても、自社のコンテンツをしっかり見てくれれば、問題ありません…ですので、ほかに目的があるのでは…と思っていましたが、本社の方と話していたら、徐々に分かってきました。
本日は、その切り口でMRとデジタルの関係について書いていきたいと思います。
推測の部分や個人的にそうなればいいなと願望も書いています。
サクッと読める内容ですので、すき間時間にお楽しみ頂ければ嬉しいです。
目次
最強のMRの営業スタイルはデジタルとの融合
昨年あたりから、MRが自社の独自システムへの医師の登録を各社が行っています。
MRの実際の心の中はどうでしょうか?
「いやだな…面倒だな…デジタル登録促進したら、MRいらなくねぇ?」
とマイナスな気持ちの人が多いんじゃないでしょうか?
僕も1年前まではめちゃくちゃ否定派でした。
ただ今はめちゃくちゃ肯定派です!
なぜなら知れば知るほど、自分たちの活動を楽にしてくれるツールだからです。
つまり、最強のMRの営業スタイルはデジタルとの融合になります。
もちろん本社が本気で取り組んでくれるのが大前提ですけどね…苦笑
最大の理由はデジタルのコンテンツ解析が不十分なこと
正直、m3.comを利用しての情報提供は限界がきています。
これ以上力を入れても、意味はないと言っても言い過ぎではないんじゃないでしょうか…
理由は明確です。
m3.comが提供するコンテンツを製薬会社が使わせてもらっているからです。
結局、魅力的なコンテンツを配信して、医師の反応もよかったとしてもそれを次回に活かすことはできません。
コンテンツの配信で得られる分析情報はm3.comが握っているからです。
現在、製薬会社がm3.comを通じて配信しているコンテンツは、流しっぱなしの状況になっています。
そのため、各社が進めている独自システムは、独自システムだからこそ、価値はあると感じています。
もう少し説明させて下さい。
m3.comが提供するシステムを利用していれば、利用している会社側が分かるのは、登録情報、メールの開封、Web講演会の視聴状況くらいじゃないでしょうか。
すなわち提供している情報に対して、収集できる情報量が圧倒的に少ないのがデメリットです。
個人情報保護の元、m3.comに情報が全て握られているのが問題です。
よくビジネスで重要だといわれるPDCAがうまく回せませんよね。
もし独自システムが本格的に動かすことができれば…
自社の提供するシステムが普及すれば、恐ろしいほど効率的になります。
メールマガジンなどのデジタルコンテンツの開封状況、開封時間、記事の滞在時間、IPアドレス、その後の処方状況…情報の取り方はいくらでもあります。
その情報を基に改善したActionを仕掛けるのです。
まさに今後世界を牛耳るのはGAFAだと言われているのと同じ考えです。
GAFAをご存知でない人に、少しだけ説明します。
GAFAはデジタル系の会社の頭文字をとった名称です。
G00gle
Apple
Amazon
の頭文字をとってGAFA(ガーファ)と言います。
これらの会社に共通するのは世界中の個人情報を持っている事です。
Googleは検索情報を、Appleはスマホ情報、Facebookはその人、Amazonは購買履歴などを牛耳っています。
それらの情報があれば、人の流れやトレンドの流れが容易に分かります。
あとはそのビジネスの波にビジネスを打つだけです。
それだけで儲かるビジネスが完成します。
本当に今の世の中、情報社会だということを痛感させられます。
話が少し逸れてしまいましたが、やっぱりコンテンツから得られる情報はすごく貴重ですし、それに応じて対策を打っていくべきだと考えています。
逆に、m3.comがその情報を細かく製薬会社に提供しないと、エムスリーは最大の顧客である製薬会社に逃げられる可能性は大いにあります。
MR活動は、さらに合理的になっていくはず
その情報さえMRまで落としてくれれば、リアル世界での訪問内容や次回デジタルコンテンツなど細かく考えることができ、今までのMR活動は確実に合理的になってくるでしょう。
もちろん全ての顧客に対して対応できませんし、MRは必須です。
ただ昨今の早期退職の嵐を見ていると、この過渡期こそ次世代MRの働き方を模索しながら、活動する事がMRとしてのキャリアを輝かせる一歩になると思いますし、仕事も楽しくできるんじゃないでしょうか。
そして、MRの人数が適正人数に達した時、既にあなたは働き方を確立している可能性が高いです。
【番外編】アメリカやドイツ、イギリスなどの先進国のMRは合理的
外資系で働いていますので、社長は外人がほとんどです。
もちろん会社の上層部も外人が多く、彼らは日本市場を理解しようと必死です。
僕も多くの外国人の方と同行の経験がありますので、色々質問を受けた経験があります。
その中で働き方の面で興味深い事がありました。
アメリカやドイツ、イギリスなどの主要先進国のMRの働き方は90%以上が転勤がない事です。
そう。一生、同じ土地でMRをやるそうです。
理由は簡単で、転勤したら人間関係を1から築かないといけないので、それを避けるためだそうです。
そのため日本はなんでお金をかけて転勤させるのかが意味わからない!ってのが彼らの意見です。
多分、日本も転勤が減っていくんでしょうね…